
ABA-VB療育
ABA(Applied Behavior Analysis)は、応用行動分析の略称です。
行動の原理を応用して、特定のスキルを向上させたり、望ましくない行動を減らしたりする科学的な枠組みです。
特にASD(自閉スペクトラム症)の子どもの発達支援において、
世界的に最も効果的な方法とされています。
VB(Verbal Behavior)は、言語行動の略称で、ABAの中でも特に言語発達に焦点を当てたアプローチです。
単に言葉を覚えるのではなく、状況に応じて適切に言葉を使えるようになることを目的としています。
例えば、「チョコ」という言葉一つをとっても、以下のようにさまざまな使い方があります。
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欲しいときに使う
→「チョコ食べたいな」と適切に伝える
・名称として答える
絵や写真を見て「これ何?」と聞かれたときに「チョコ」と答える
・会話のやりとりで使う
「好きなお菓子は?」と友達に聞かれて「チョコ」と答える
・模倣して覚える
大人の発話を真似して「チョコ」と言う
ASDの子どもたちにとって、言語を単語として覚えること自体は比較的できても、
それをさまざまな環境(状況)で、適切に使うことが困難な場合が多くあります。
VBアプローチでは、こうした言語の機能を区別しながら、それぞれを適切に習得できるよう支援します。
ABAは、行動の本質的な変化を目指す科学的基盤です。
その中で、特に言語発達に特化して発展したアプローチがVB(言語行動)です。
ABAとVBは、別々の要素を組み合わせたものではなく、VBはABAの枠組みの中で発展した理論に基づく
応用の一つです。
ABAの科学的基盤(枠組み)での位置づけ
ABA(応用行動分析)→ 枠組み・科学的基盤
行動と環境(周囲)の関係を科学的に理解し、
その原理を人の学習や発達支援に応用する
科学/学問です。
VB(言語行動) → アプローチ
(言語発達をターゲットにしたABAの応用)
言葉の形態(文法や発音)ではなく、
何のために使っているかという視点です。
一般的な言語発達では、
「受容(理解)」と「表出(発話)」という
二つの軸で語られることが多いですが
VBでは機能(function) =使う目的を中心に
支援していきます。
DTT→ Teaching Model(教え方)
NET→ Teaching Model(教え方)
DTT(離散試行訓練)
構造化された環境で、一つのスキルを繰り返し
練習する教え方
NET(自然な場面での指導)
子どもの興味を活かし、自然な場面で学習を
促す教え方





ABA-VB療育
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ABA療育の多様なアプローチ
ABAにはさまざまなアプローチや教え方が存在し、それぞれ目的や指導法が異なります。
そのため、ABA療育と一括りにしても
用いるアプローチや教え方によって大きな違いがあります。
ABA‐VB療育では、子どもの興味やMO(動機づけ操作)を基盤に、自然な場面での学習を中心としながら、
必要に応じて構造化した指導を組み合わせ、機能的な言語コミュニケーションを育てていきます。
アメリカではスタンダードなアプローチ
ASDの子どもの多くは言語発達の遅れやコミュニケーションの課題を抱えているため、
ABAを実施する際にVB(言語行動)を取り入れることは必須と言えます。
アメリカではABAプログラムに「VBの指導」が求められることが多く、
VBを取り入れないABA療育は少数派です。
しかし、日本ではVBアプローチを専門的に導入している療育機関は非常に少ないのが現状です。
オーティネットでは、どこよりも専門的に
ABA-VB療育を提供しています。
言語を実用的に習得できる
VBアプローチを用いないABAでは「言葉を覚える」ことがゴールになりがちで、
実用的な言語習得にはつながりにくい傾向があります。
例えば
受験英語と英会話の違いを考えてみると....
これをVBアプローチで置き換えると...
・ABA-VB = 英会話のように「実用的な言語」を習得する方法
・一般的なABA = 受験英語のように「知識としての言語」を学ぶ方法
知識として言葉を覚えるだけでなく、実生活で自発的に活用できる実用的な言語を習得することが重要です。
【実用的な言語と知識としての言語の会話例】
ABA-VB療育の目的は単に「言葉を覚えさせる」ことではなく、
言葉を使って人とつながる力を育てることです。
NETをベースに補助的にDTTを取り入れる
ABA-VB療育では、NETを基礎としたプログラムを採用しています。
日本ではDTTを基礎としたABA療育が多いですが、アメリカではDTTの割合が減少し
補助的な手法とみなされる傾向にあります。
「指示通りにできる=学び」(DTT)から「自発的にできる=学び」(NET)という認識に
シフトする必要があります。
「決められた事ができる」(DTT) から「その場に合ったことができる」(NET) へ
「課題のクリアを目指す」(DTT)から「実際に役立つスキルを育てる」(NET)へ
NETベースは「自由な遊び」ではなく、本当に使えるスキルを育てるABA手法で



言語・コミュニケーションの発達で、不適切な行動(問題行動)の改善
ABA-VB療育では、言語行動を強化することで、不適切な行動の改善につながります。
・言語発達に課題がある子どもに対し、適切なコミュニケーション手段を獲得させることで、
不適切な行動を置き換える
・言語の発達に問題がないように見えても、「使える言葉」として習得できていなければ、
不適切な行動につながることがある
【ABA-VBによる不適切な行動の改善】
1.機能的コミュニケーションの獲得
・「おもちゃが欲しい」ときに泣く
→ マンドトレーニングで「ちょうだい」と言えるようにする
・「休みたい」ときに逃避行動を取る
→ 「休憩」と言えるようにする
2.エコイック(音声模倣)を基盤にした発語の促進
・発語が少ない子はエコイックを強化し、マンドやタクトの獲得を目指す
・言葉を引き出すことで、不適切な行動に頼らずに済むようにする
3.適切なタクト(命名)を増やす
・タクトが増えると、子どもは自分の周りの環境をより正確に説明できるようになる
・自分の感情を「怒ってる」「悲しい」と言えると、泣いたり叩いたりする頻度が減る
4.イントラバーバル(会話スキル)の向上
・会話スキルが低いと、質問が理解できずにフラストレーションがたまりやすい
・「何がほしいの?」「どうして怒ってるの?」などのやり取りができると、
不適切な行動の予防につながる
5.自発的な言語行動の強化
・指示待ちではなく自発的に「手伝って」「やりたくない」などの言葉を使えるようにすることで、
不適切な行動をとる必要がなくなる
ABA-VB療育は
単に言葉を覚えさせるのではなく、実生活での自発的な言語使用を促し
コミュニケーションの質を向上させることを目的としています。
オーティネットでは、アメリカで標準とされるVBアプローチを取り入れ、
科学的根拠に基づいた効果的なABA療育を提供しています。
言葉を「知る」だけでなく「使える」ようにすることで、より豊かなコミュニケーション能力を育成し、
不適切な行動の軽減や社会適応の向上を支援します
