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発達障害(ASD)と療育

ABA療育

自閉スペクトラム症について

自閉スペクトラム症(ASD)とは先天的な脳機能障害です。

原因はいまだ明確に解明されていませんが、遺伝要因と環境要因の組み合わせであると考えられています。

概ね、1歳半~3歳前後までに医師により診断を受けます。 


ASDの特性として主に、言語・非言語コミュニケーションの遅れや社会性における課題・常同行動などがあげられます。

 
自閉スペクトラム症は名称の通りスペクトラム=連続体であり、定まった形態がありません。

その為、専門の医師が行動観察などから、特性の顕著さや程度の強さを個々人によって総合的に判断します。

 
ASDの診断を受けた場合でも見た目に特徴が出ないため周囲から落ち着きがない・わがまま・親のしつけの問題など
誤解される事が多くあります。

中には音楽や芸術、科学等の分野で特性がゆえの才能を活かして活躍する人もいますが集団になじむことができずに教育の機会が失われたり、年齢を重ねてから二次障害(鬱など)を引き起こす場合もあります。

ABA療育

療育とABA療育 

療育にはABAをはじめ、音楽療法、感覚統合、TEACCHなど数多く存在します。

その中でもABAはアメリカを筆頭に40年以上研究が重ねられ、ASDの人に対する療育方法として

言語を含む適切な行動を増やす・新しい言語やスキルを習得する・不適切行動を減らすなど最も多く科学的に効果が実証されています。 


1999年には、アメリカ公衆衛生局長官が「30年に及ぶ研究から、ABAは適切な社会的行動やコミュニケーションを増やし、不適切な行動を減らすのに有効であることが示された」と発表しました。

そのため、アメリカではABA療育に保険が適用されています。 


ABAには専門資格(BCBA, BCaBA, BCBA-D)があります。

アメリカでは資格が誕生した1998年から2014年までに約2万人が資格を取得しました。

資格取得に必要なカリキュラムを提供する大学は全米だけでも200校以上あり、増え続けています。

ただし、研究や認知度の低い日本では効果が認められていないものも多く

残念なことにABA療育とアピールしながらもABA療育を提供していない(間違った方法)療育提供者も存在します

中には薬物療法などの危険なものもあります

ABA療育

発達障害と療育

まず前提としてASDは定型発達と比べて能力自体が劣っているのでは無いという事です。

ASDの人は言語や学習の習得におけるプロセスが異なっているため、本人が学びたい、学びやすい環境を準備して早期に積極介入する必要があります。

その結果として集団への適応・他の子ども達と平等な教育の機会・本人の能力を活かした職業や趣味を持つ事につながります。 近年では、インクルーシブという社会から切り離された環境ではなく、地域に密着した環境での教育や社会活動の機会を設けようとする考え方が進んできています。

本人と周囲の負担を減らす

ASDの特性は様々ですが、中には本人も含め周囲の人にも大きなストレスとなり得るものがあります。

周りの子ども達と遊びたくても関わり方が分からない

衝動的に手を出してしまい友達が作れない       

ひとり言を発してしまい理解されない       ​ などのストレスが年齢を重ねる毎に強くなります。


逆の場合も同じように、ASDの特性や傾向を理解していない人から見たら

人に興味がなくそっとしといて欲しいのかな?

私の事が嫌いだから手を出してくるんだ…    などのストレスが考えられます。 


こういったストレスを減らすためには、

本人が生きやすくなるために増やした方がいい行動や言語・減らした方がいい行動トレーニングする事が

必要となります。

 

療育でのポイント

 
まず優先すべきは適切な行動・コミュニケーションのスキルの向上です。

その結果不適切な行動は減るという事です。 逆に注意したいのはASDの人たちの不適切な行動にばかり

注目してしまい行動を減らす事を優先してしまう事です。 
また、ASDの人を遠ざけるのではなく、集団生活を共にすることで、周囲の理解が高まる事も重要です。

聴覚過敏がある場合には、周囲が声や物音のトーンを下げる事で本人がその場に居やすくなり、集団へ参加しやすくなります。 

ABA療育

療育を始める 

療育を始めるにあたって、まずは専門医の診察を受けて下さい。

もし、ASDの診断を受けた場合は早期にABA療育を開始する必要があります。

しかし、的確な診断ができる専門医は少なく、診断を待ちながら療育を開始する事で貴重な時間のロスを減らす事が可能です。 年齢が低ければ療育の効果はその分高くなります。

 

ABA療育事業者・提供者

 

現在、首都圏を中心に多くのABA療育事業者・提供者が存在します。

その中から適切な事業者・提供者を見つける事は非常に難しいですが、 まず大切な事は選ぶ側の知識です。

ABA療育の正しい知識を身に付ける事でインターネット上に溢れている情報を見極める事も可能になります。 


ASDの人が集団に適応できるようになるためには、まず個別ABA療育で本人のスキルを高める必要があります。

また、一部の療育提供者の中には倫理規定を蔑ろにして威圧的な手法であったり、 専門知識や経験の欠如から

ただ厳しく接している場面も少なくありません。

そういった療育提供者を見極め親を中心として舵取りを行うことで子供にとって一番適切な療育を提供できるようになります。 

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