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ABA療育とは

若井道子|行動分析士(IBA,BCaBA)

2026年9月25日

目次

01|ABA療育とは 


ABAは、Applied Behavior Analysis(応用行動分析)の略称です。

人の行動と、その行動が起きる前後の環境との関係を科学的に捉え、生活や学習に役立てていく


行動分析学の応用分野です。

日本では、発達支援の場面で「ABA療育」という言葉が広く使われています。


そのため、ABAを「子どもに特定の課題を教える療育法」とイメージされることもありますが、

ABAは一つの決まった療育プログラムやテクニックの名称ではありません。



|ABAで扱う「行動」

ABAで扱う行動は、いわゆる問題行動だけを指すものではありません。


◆ 人に何かを伝える

◆ 必要なものを要求する

◆ 指示に応じる

◆ 遊ぶ、着替える

◆ 友達に話しかける

◆ 集団に参加する

◆ 分からないときに助けを求める


など、私たちが日常生活の中で行っているさまざまなことが行動として扱われます。


そしてABAでは、行動だけを切り離して見るのではなく、

どのような状況でその行動が起きやすいのか、その後に何が起きているのか、

これまでどのような経験をしてきたのかなど、行動と環境との関係を確認していきます。


同じように見える行動でも、その背景や、本人が現在使える行動レパートリー、

環境との関係が異なれば、必要な支援も同じとは限りません。


行動レパートリーとは、その人が現在使える行動のまとまりです。


「何ができるか」だけではなく、どのような場面で、誰に対して、

どのような条件で使えるのかも見ていきます。


そのためABAは、「この場面ではこの声かけをする」「この方法を使えばうまくいく」といった

テクニック集とも異なります。



|ABAは一つの教え方ではない

ABAという言葉から、机に向かって課題を繰り返すDTT(Discrete Trial Teaching:個別試行指導)を

思い浮かべる方もいるかもしれません。


DTTはABAで用いられる教え方の一つですが、DTTそのものがABAなのではありません。


ABAを基盤とした実践には、言語行動に注目するVBに基づくアプローチや、PRT、ESDMなどが

あります。


また、教え方(Teaching Model)にも、自然な活動や日常場面を利用するNET、

試行を区切って教えるDTTなどがあります。


さらに、その中では強化、プロンプト、シェイピング、FCTなど、

目的に応じてさまざまな原理や手続きが使われます。


大きく整理すると、


ABAという科学的な枠組み

 ↓

ABAを基盤としたアプローチや支援モデル

 ↓

教え方(Teaching Model)

 ↓

個々の手続き


という関係で考えると分かりやすくなります。


同様に、「ABAはごほうびを使って行動を増やす方法」と説明されることもありますが、

これもABA全体を表した説明ではありません。


行動を増やす方法、

つまり「強化」はABAを理解するうえで重要な基本原理の一つですが、

強化を使うことだけでABAになるわけではありません。


また、ABAは発達支援だけのために作られたものでもありません。


教育、福祉、医療、組織・職場、安全、スポーツなど、人の行動が関わるさまざまな領域に応用されています。


では、何を大切にすることが「ABAらしい実践」につながるのでしょうか。

その土台を考えるうえで重要なのが、ABAを特徴づける7つの次元です。




02|ABAを特徴づける7つの次元 


1968年、Baer、Wolf、Risleyは、応用行動分析を特徴づけるものとして

7つの次元(Seven Dimensions of Applied Behavior Analysis)を示しました。


これは特定の療育プログラムを示したものではありません。

ABAの実践において、何を対象とし、どのように評価し、どのような成果を目指すのか

という基本的な考え方を整理したものです。


Applied|応用的

研究のためだけに行動を扱うのではなく、実際の生活や社会生活にとって意味のある行動を対象とします。

療育であれば、「できる課題を増やす」こと自体ではなく、その行動が本人の日常生活で


どのような意味を持つのかを考えることが重要です。


Behavioral|行動的

印象や性格だけで説明するのではなく、実際の行動を具体的に捉え、測定します。


たとえば「コミュニケーションが苦手」とまとめるだけではなく、どのような場面で、

誰に対して、どのような方法で伝えているのかを見ていきます。


これは、本人の気持ちや訴えを軽視するという意味ではありません。

支援につなげるために、実際の行動として何が起きているのかを具体的に確認します。


Analytic|分析的

支援を行った後に「なんとなく良くなった」と判断するのではなく、どのような条件や

支援が行動に影響していたのかを検討します。


記録を取ることは重要ですが、記録そのものが分析なのではありません。

また、支援前後で数値が変わっただけで、その支援が要因だったと決めることも

できません。


データを使いながら、行動に影響した条件をできる限り確かめていきます。


Technological|技術的

どのような支援を行ったのかを、必要な訓練を受けた他の人が確認し、実施できる程度に

具体的に記述します。


「たくさん褒める」「優しく声をかける」といった表現だけではなく、

いつ、どのような状況で、どの行動に対して、どのように対応するのかを明確にします。


Conceptually Systematic|概念的体系

支援は、場当たり的なテクニックの組み合わせではなく、行動分析の原理や考え方と

結びついていることが求められます。


支援のベースが行動原理とつながっていて、強化や刺激統制などの行動分析の概念から

説明できることが重要です。


Effective|効果的

データ上わずかな違いが出ればよいのではなく、

実際の生活にとって意味のある程度の成果につながっているかを確認します。


目標を達成したという数字だけでなく、それによって本人の生活で何が広がったのかを

見ることも大切です。


Generality|般化

療育の場面だけでできることを、最終的な目標にはしません。


学んだ行動が、人、場所、物、状況などが変わっても使われたり、関連する別の場面にも

広がったりすることを重視します。これを般化と呼びます。


また、時間が経っても学んだ行動が使われ続けることを維持といいます。

ABAでは、教えたその場でできたことだけではなく、日常生活の中で使え、続いていくことまで考えます。



この7つを見ると、

ABAが「行動を増やす・減らすための方法」だけではないことが分かります。


生活にとって意味のある行動を扱い、行動を具体的に捉え、支援と行動との関係を確かめ、

その人の日常生活で実際に役立つところまで考える。

こうした考え方がABAの土台にあります。


では、

これらを実際の療育に落とし込むと、どのような流れで支援が行われるのでしょうか。




03|ABA療育では何をするのか


ABA療育では、決められた課題やプログラムを、すべての子どもに同じように行うわけではありません。


まず、その子が現在どのような行動を使えているのか、どのような場面で困りやすいのか、どのような教え方が

合っているのかを確認するところから始まります。



|ABA療育の基本的な流れ

ABA療育では、一般的に、

アセスメント
→ 目標設定
→ 支援
→ 記録
→ 評価
→ プログラムの見直しという過程を繰り返します。


最初に行うのがアセスメントです。

年齢や診断名だけで判断するのではなく、行動観察や本人・家族からの情報を通して、

現在使える行動レパートリーや生活上の必要性を確認します。


たとえば「言葉が少ない」という場合でも、


▷ 欲しいものをどのように伝えているのか

▷ 拒否や休憩をどのように伝えているのか

▷ 人の言葉にどのように反応しているのか

▷ 音声以外に、指さしやサインなどを使っているのか

▷ どのような状況では伝えやすいのか


など、実際に使われている行動を細かく見ていきます。


そのうえで、本人や家族にとって意味のある目標を設定し、教え方や環境を設計します。

支援を始めた後も記録を取り、学習の経過を確認します。


ここで重要なのは、一度作ったプログラムをそのまま続けることではありません。


想定通りに学習が進まなければ、「本人に問題がある」と考えるのではなく、

課題の難易度、教え方、プロンプト、強化の方法、練習量、環境などを見直します。


データをもとに、支援する側の方法も修正していくことがABAの重要な特徴です。



|ABA療育ではどのようなことを支援するのか 

ABA療育で支援する内容は、言語だけに限られません。


たとえば、

▶ 要求・拒否・会話などのコミュニケーション

▶ 遊びや余暇の広がり

▶ 指示や質問に応えること

▶ 人と一緒に活動すること

▶ 学習に関連する行動

▶ 着替えや食事などの身辺自立

▶ ソーシャルスキル

▶ 家庭や学校で必要となる行動

▶ 問題行動への支援


など、幅広い領域を扱います。


同じ年齢、同じ診断名であっても、必要な支援が同じとは限りません。


ある子には「欲しいものを伝える」ことが重要かもしれませんし、

別の子には「分からないときに助けを求める」「友達との会話を続ける」

「自分で予定を確認する」「気持ちを切り替える」といった行動が重要かもしれません。


評価尺度や発達的なカリキュラムをベースにすることもありますが、

全員が同じ課題を同じ順番で進めるわけではありません。


現在の行動レパートリーと、その人の生活で何が必要なのかを確認しながら、

目標と教え方を個別に設計していきます。


また、「ABA療育」と呼ばれる支援がすべて同じ開始年齢や時間数を前提としているわけでもありません。


早期集中行動介入はABAを基盤とする支援の一つですが、

ABAそのものが早期・長時間の療育だけを意味するわけではありません。


支援の頻度や時間も、目標、本人の学習機会や負担、家庭・学校での生活などを踏まえて

検討する必要があります。


では、このような支援を設計するとき、

ABAでは行動をどのように捉えているのでしょうか。


ここからは、ABAの基本となる行動の原理を見ていきます。




04|ABAの基本原理 ― 行動はどのように学習されるのか


ABAでは、行動をその人の性格や意欲だけで説明するのではなく、行動と環境との関係を見ていきます。


なぜその行動が起きたのか。どのような条件で起きやすいのか・起きにくいのか。

そして、その行動がどのように学習され、続いているのか。


こうした関係を整理するために、ABAにはいくつかの基本的な概念があります。



4-1|行動の前後を見る

先行条件・行動・結果

ABAでよく使われる基本的な整理の一つが、


先行条件(Antecedent)
→ 行動(Behavior)
→ 結果(Consequence)

という見方です。


頭文字から「ABC」とも呼ばれます。


先行条件とは、

行動が起こる前の状況です。誰が何をしていたのか、何があったのか、

どのような指示があったのか、何がどのような物や活動にアクセスできる状況だったのか

などを確認します。


そして、実際に起きた行動と、その直後に環境で何が起きたのかを見ていきます。


たとえば、

子どもがお風呂から出てすぐに「お茶」と言った後にお茶が渡されたのであれば、

「お風呂から出た」という先行条件、「お茶と言った」という行動と、その後に得られた

結果を記録することができます。


ただし、行動の前後を一度記録しただけで、その行動の理由が分かるわけではありません。

同じ行動でも、場面や相手、その日の状態などによって関係する条件は異なります。


ABC記録は行動を整理する有用な方法ですが、ABC欄を埋めること自体が分析なのでは

ありません。


この点は、第6章の問題行動への支援で詳しく扱います。



4-2|行動が増える・減る仕組み

行動は、その後にどのような結果が続くかによって、

同じような状況で将来起こりやすくなったり、起こりにくくなったりすることがあります。


その代表的な考え方が、強化・弱化・消去です。


強化

強化とは、ある行動に続く結果によって、その行動が将来起こりやすくなることを

いいます。


ここで重要なのは、

「褒めること=強化」ではない

という点です。


たとえば大人が子どもを褒めたとしても、その後、その行動が増えていなければ、

行動分析上は「強化された」と判断することはできません。


反対に、大人が「ごほうび」と考えていないものでも、

その結果によって行動が増えているのであれば、強化子として機能している可能性が

あります。


行動を増やすように働く刺激や出来事を強化子と呼びます。


本人が好きなものは強化子の候補にはなりますが、

好きなもの=強化子と決まっているわけではありません。


実際にその後の行動にどのような影響を与えたのかを見る必要があります。

また、4-3でも詳しく扱いますが、強化子としての価値は常に一定ではありません。

時間や状況、そのときの状態などによって価値が変わる、流動的な特徴があります。


強化には、正の強化と負の強化があります。

正の強化は、

行動の後に何かが加わることで、その行動が起こりやすくなることです。


負の強化は、

行動の後に何かが取り除かれたり、避けられたりすることで、その行動が起こりやすくなることです。


たとえば、

負担が生じている活動中に「休憩」と伝えた後に休憩でき、その後も同じような場面で

「休憩」と伝える行動が増えたのであれば、負の強化として考えることができます。


弱化

弱化とは、

ある行動に続く結果によって、その行動が将来起こりにくくなることをいいます。


英語ではpunishmentと呼ばれますが、日常語の「罰」とは意味が異なります。


叱る、注意する、厳しく対応するといった行為そのものを弱化と呼ぶのではありません。

その結果として、その後の行動が実際に減ったかどうかによって判断します。


一時的に行動が止まっただけで、「弱化された」と判断することもできません。


弱化にも正の弱化と負の弱化があります。

ここでいう「正・負」は、良い・悪いという意味ではありません。


正は「何かが加わる」、負は「何かが取り除かれる」ことを表します。


◇正の強化:何かが加わり、行動が増える

◇負の強化:何かが取り除かれ、行動が増える

◇正の弱化:何かが加わり、行動が減る

◇負の弱化:何かが取り除かれ、行動が減る


そのため、「負の強化」は行動を減らす手続きではなく、行動を増やす仕組みです。

同様に、正の弱化は行動を減らす仕組みです。


消去

消去とは、

それまでその行動を維持していた強化子が、その行動によって得られなくなることと、

それに伴って行動が減少していく過程を指します。


ここで注意したいのは、

消去=無視

ではないということです。


何がその行動を維持しているかによって、消去の手続きは異なります。


また、消去を始めれば行動が滑らかに減っていくとも限りません。

一時的に行動が増えたり、強くなったりすることもあります。


そのため、「消去すればそのうち減る」と一律に考えることはできません。


強化・弱化・消去は、ABAを理解するうえで重要な基本原理です。

しかし、基本原理として知ることと、療育の中でその手続きを積極的に採用することは

別の問題です。


本人への負担や生活上の意味を踏まえ、どのような支援を選ぶかを考える必要があります。



4-3|行動が起きやすい条件 ― SDとMO

行動は、その後の結果だけで決まるわけではありません。

どのような状況でその行動が起きやすいのかも重要です。


弁別刺激(SD)

弁別刺激(Discriminative Stimulus:SD)は、これまでの学習を通して、

ある行動をすると強化が得られやすいことを示す手がかりです。


SDにはこれ以外の側面もありますが、

ここでは、行動と強化の関係を示す手がかりとしての役割に焦点を当てて説明します。


たとえば、大人が「なに?」と聞かれた時に欲しいものを答える経験を重ねていれば、

「なに?」と聞かれることが、要求する行動の手がかりになる場合があります。


私たちは日常生活の中で、相手の言葉、場所、物、状況など、さまざまな手がかりをもとに行動を

使い分けています。


療育でも、「できる・できない」だけではなく、

何を手がかりにその行動が起きているのかを見ることが重要です。


動機操作(MO)

同じものでも、いつでも同じ価値があるわけではありません。

たとえば、喉が渇いているときには飲み物の価値が高まります。


そして、これまで「水がほしい」と伝えることで水をもらえた経験があればその要求行動は

起こりやすくなります。

一方、十分に水分を取った直後であれば、同じ飲み物でも価値は下がります。


このように、強化子の価値を一時的に変え、それに関係する行動の起こりやすさに影響する条件を、

動機操作(Motivating Operation:MO)と呼びます。


SDが「その行動によって結果を得られそうか」に関わるのに対し、

MOは「その結果が今どの程度価値を持っているか」に関わります。


そのためABA療育では、「この子はこれが好きだから、いつでも強化子になる」と

固定的に考えず、その時の活動や本人の状態も確認します。



4-4|新しい行動を教える

ABAでは、行動が起こる仕組みを見るだけでなく、まだ十分に使えていない行動や新しい行動を

どのように教えるかも考えます。


プロンプト

プロンプトとは、目的とする行動が起こりやすくなるように加える手助けです。

言葉でヒントを出す、見本を見せる、指さしをするなど、さまざまな方法があります。


大切なのは、プロンプトを使うこと自体ではなく、

その子が学習しやすいプロンプトの種類と量、タイミングで計画的に使うことです。


フェイディング

プロンプトによって行動できても、いつまでも同じ手助けが必要であれば、自立した行動にはつながりません。


そこで、習得状況を確認しながら、プロンプトを段階的に減らしていきます。

これをフェイディングと呼びます。


最終的には、支援者からのヒントではなく、日常生活の中に本来ある手がかりで行動できることを目指します。


シェイピング

最初から完成した行動を求めるのではなく、目標となる行動に近い反応を強化しながら、

少しずつ目標に近づけていく方法がシェイピングです。


たとえば、まだ明瞭な発音が難しい場合に、最初から完全な発音だけを求めるのではなく、現在できる反応から

少しずつ近づけていく、といった手続きです。



4-5|学んだ行動を生活で使う ― 般化と維持

療育の中でできるようになっただけでは、生活の中で十分に使えるとは限りません。


教わった人には要求できるけれど、家族には要求できない。療育の部屋ではできるけれど、学校ではできない。

特定の教材では選べるけれど、別の教材になると同じようにできない、といったこともあります。


そこで、人、場所、物、活動などが変わっても学んだ行動を使えるようにすることを考えます。

これが般化です。


また、時間が経ってもその行動を使い続けられることを維持と呼びます。


ABAでは、新しい行動を教えるだけでなく、その行動が実際の生活の中で使え、

続いていくところまで設計することを重視します。




05|ABAにはさまざまなアプローチと教え方がある


ここまで見てきた基本原理は、さまざまなABA実践の土台になります。


ただ、ABAを基盤としていても、どのようなスキルを重視するのか、

どのような場面で教えるのかによって、アプローチや支援モデルには違いがあります。


この記事では全体像を理解しやすくするため、


ABAという科学的な枠組み
 ↓
ABAを基盤としたアプローチ・支援モデル
 ↓
NETやDTTなどの 教え方(Teaching Model)
 ↓
プロンプト、シェイピング、FCTなどの手続き

という形で整理します。


厳密には各カテゴリーが完全に独立しているわけではありませんが、

ABAの全体像を理解するうえでは、このように考えると分かりやすくなります。



|VBに基づくアプローチ

VB(Verbal Behavior)は「言語行動」を意味し、B.F.Skinnerが提唱した言語行動の分析を基盤としています。


VBに基づく支援では、言葉を単に「話せる単語の数」などで見るのではなく、

その言葉が、どのような条件で、どのような機能を持って使われているのかに注目します。


たとえば、同じ「りんご」という言葉でも、

▶りんごが欲しくて「りんご」と言う

▶りんごを見て「りんご」と言う

▶「好きな果物は?」と聞かれて「りんご」と答える


では、行動としての機能が異なります。


VBでは、要求する「マンド」、

見たものや出来事について伝える「タクト」、

質問への応答や会話などに関係する「イントラバーバル」など、

言語行動を機能的(目的)に捉えていきます。


また、コミュニケーションは音声言語だけに限定されません。


必要に応じてサインやAAC(補助・代替コミュニケーション)なども含め、

本人にとって使いやすいコミュニケーションの方法を増やすことを考えます。


PRT(Pivotal Response Treatment)

PRTは、ABAを基盤とした自然主義的なアプローチの一つです。


特徴は、個々のスキルを一つずつ教えることだけではなく、さまざまな行動や学習に広く影響すると考えられる「中核的な領域(pivotal areas)」に働きかけることにあります。


代表的な領域には、モチベーション、自発的な働きかけ、複数の手がかりへの反応、自己管理などがあります。


本人の選択や興味を尊重し、既習課題と新しい課題を組み合わせながら、適切な試みや自然な結果を活用して

学習を進めます。



ESDM(Early Start Denver Model)

ESDMは、主に幼い自閉スペクトラム症の子どもを対象として開発された早期支援モデルです。


ABAの学習原理と発達的な視点を組み合わせ、遊びや人とのやり取りの中で、

コミュニケーション、社会性、認知、運動など幅広い領域を扱います。


子どもの興味や活動への参加を生かしながら、学習機会を作っていくことも特徴です。



|ロバース式の早期集中行動介入

Ivar Lovaasらが提唱した早期集中行動介入は、ABAを基盤とした複数領域を対象とした支援モデルの一つです。

DTTを多く用いて複数の学習領域を扱う実践として広く知られるようになりました。


ここで重要なのは、


ロバース式という支援モデル、

DTTという教え方、

ABAという科学


を同じものとして扱わないことです。


ロバース式ABAがDTT、DTTがABA全体を表すわけではありません。



|NET ― 自然な活動に学習機会を作る

NET(Natural Environment Teaching)は、

自然な活動や日常生活の中に学習機会を作る教え方(Teaching Model)です。


たとえば、子どもがシャボン玉で遊びたい場面で「吹いて」「いっぱい」といった要求を教えたり、

お店屋さんやごっこ遊びの中で会話を練習したりします。


本人がその時に興味を持っているものや活動を活かしたり、新たに興味を引き出しながら

学習機会を作れることも特徴です。


また、その場で本人が興味を持っているおもちゃや活動そのものが、強化子として機能することも多くあります。


ただし、「ただ一緒に遊んでいれば自然に学習する」という意味ではありません。


どのタイミングで学習機会を作るのか、どの程度プロンプトを使うのか、どの行動を強化するのかなど、

支援する側には細かな設計が必要です。



|DTT ― 試行を区切って教える

DTT(Discrete Trial Teaching:個別試行指導)は、

始まりと終わりが明確な試行を組み立てる教え方(Teaching Model)です。


教えるスキルや期待する反応を明確にし、必要に応じてプロンプトを使いながら学習機会を繰り返し作ることが

できます。


複数の絵から指定されたものを選ぶ、新しい模倣を練習するといった場面にも使われます。

DTTでは、教えている行動とは直接関係のない物や活動、休憩などを強化子として用いることもあります。


DTTは「机に座って行う方法」とだけ定義されるものではありません。


また、DTTでできるようになったことが、そのまま日常生活でも使えるとは限らないため、別の人や場所、

自然な活動の中でも使えるように般化を考える必要があります。



|NETだから現代的、DTTだから古典的なわけではない

NETとDTTには、学習機会の作り方に違いがあります。


しかし、

NET=現代ABA
 DTT=古典的なABA

という単純な区分ではありません。


DTTも現在のABAで使われる教え方(Teaching Model)の一つであり、

教える内容や本人のスキルによっては有効な学習機会を作ることができます。


一方で、現代ABAでは、より自然な環境の中で学ぶことや、本人の興味や選択、

自然な強化随伴性を活用することが重視される傾向があります。


そのため、NETやNDBI(Naturalistic Developmental Behavioral Interventions)のような

自然主義的な指導やアプローチが、以前より重視されています。


何を教えるのか。

その行動をどのような場面で使う必要があるのか。

現在どのようなスキルを持っているのか。


そうしたことを考えながら、目的に合った教え方(Teaching Model)を選ぶことが重要です。




06|問題行動をABAではどう考えるのか


癇癪、自傷、他害、物を投げるといった行動についても、ABAでは表面的な形だけを見て判断しません。


「困った行動だから減らす」というところから始めるのではなく、

その行動がどのような条件で起き、どのような結果によって続いているのかを確認します。


また、「課題から離れる」といった行動も、それだけで問題行動とは限りません。

休憩や拒否の意思を示している場合もあります。


本人や周囲の安全に関わるか、本人や周囲の生活への影響、その行動が起きる条件などを

確認したうえで、支援の必要性を考えます。



|行動の「機能」を検討する

同じように見える行動でも、起きている条件や、維持している結果が同じとは限りません。


たとえば、子どもが机を叩くという行動があったとします。

その前には、


◇ 難しい課題を提示された

◇ 欲しいものが手に入らなかった

◇ 周囲の人が別の人と話していた

◇ 苦手な音や刺激があった


といった状況があるかもしれません。


そして、その行動の後に、


● 周囲の人が近づいてくる

● 欲しいものを手に入れられる

● 難しい課題が一時的に止まる

● 不快な状況から離れられる


など、異なる結果が続くことがあります。


また、人から得られる結果だけではなく、

行動そのものによって感覚的な刺激が得られたり、環境からの不快な感覚が軽くなったりすることが、

その行動を維持している場合もあります。


ABAでは、このように行動がどのような状況で起こりやすく、その後にどのような結果が続き、

何によって維持されているのかという「機能」を検討します。


そのため、表面的には同じ「癇癪」であっても、必要な支援が同じとは限りません。



|ABC記録は「分析」そのものではない

行動を整理するときによく使われるのが、

A:Antecedent(先行条件)
B:Behavior(行動)
C:Consequence(結果)

というABC記録です。


ABC記録は、

行動の前後に何が起きていたのかを整理するための有用な記録方法の一つです。


ただし、ABC欄を埋めることが、そのまま機能分析になるわけではありません。

たとえば、

課題を出された
→ 癇癪が起きた
→ 課題が中断された

という記録があったとします。


これだけを見ると、「課題から逃れるための行動」と考えたくなるかもしれません。


しかし、

それだけで「課題の中断がこの行動を維持している」と決めることはできません。


実際には、

  • どのような課題のときに起きるのか

  • 同じ課題でも起きない場面はあるか

  • 誰といるときに起きるのか

  • 課題の量や難易度はどうか

  • 本人に拒否や休憩を伝える方法があるか

  • 行動が起きる前に予兆となる行動があったか

  • 睡眠や疲れなど、その日のコンディションはどうだったか

  • 周囲はこれまで、その行動にどのように対応してきたか

  • 同じ行動によって複数の結果が得られていないか


など、さまざまな情報を確認します。


本人や家族への聞き取りや直接観察など、複数の方法で情報を集め、それらを組み合わせながら

行動の機能について仮説を立てます。


さらに機能分析では、専門家が関連すると考えられる条件を系統的に操作し、行動との関係を検討します。

どの評価方法を使うかは、安全性や実施可能性も踏まえて判断します。


また、自傷や急激な行動の増加などでは、

痛みや身体的不調が関係している可能性も確認する必要があります。


身体的な問題まで、すべて学習や周囲の対応だけで説明することはできません。


必要に応じて医療職などとの連携も検討します。



|その場面で使える行動はあるか

問題行動を考えるときには、本人が現在どのような行動レパートリーを持っているのかを見ることも重要です。


たとえば、難しい課題を出されたときに、


▷「分からない」

▷「手伝って」

▷「疲れたから休憩」

▷「これじゃなくて違うのがいい」

▷「やりたくない」

▷「あとで」


と伝える方法を持っていれば、その場面で選べる行動は複数あります。


一方、そのような伝達手段が十分に使えない場合、

これまで実際に状況を変えることができた行動が繰り返されることがあります。


また、言葉そのものを知っていても、実際の場面では使いにくいことがあります。


相手が遠くにいて気づかれにくい、

伝えるために大きな声を出したり近くまで行ったりする必要がある、

言葉で伝えてもこれまで応じてもらえなかったなどの条件があれば、

別の行動の方が使われやすくなるかもしれません。


そのため、代わりとなる行動を習得しているかだけではなく、その場面で実際に使えるかを見る必要があります。



|代わりとなるコミュニケーションを教える ― FCT

問題行動への支援でよく用いられる方法の一つが、

FCT(Functional Communication Training:機能的コミュニケーション訓練)です。


FCTでは、問題行動の機能を確認し、それに代わって使えるコミュニケーションを教えます。


たとえば、

◆ 欲しいものを要求する

◆「やめて」と拒否する

◆ 休憩を求める

◆「手伝って」と依頼する

◆ 相手を呼ぶ

◆ 別の選択肢を求める

◆「自分でやる」「自分で決める」と自己決定を伝える


といった行動です。


必ずしも音声で伝える必要はありません。

本人のスキルに応じて、サインやジェスチャー、カード(絵、文字)、書字やタイプ、AACなどを使うことも

あります。


重要なのは、問題行動よりも使いやすく、相手に伝わり、その行動が強化されやすく、本人にとって実際に

機能する方法であることです。


「正しい言葉を言えるようにする」ことだけが目的ではありません。


本人が必要なことを伝え、そのコミュニケーションに周囲が適切に応じられるところまで含めて

支援を考えます。



|DRAやDRIなどの代替行動への支援

ABAでは、DRA(代替行動分化強化)やDRI(非両立行動分化強化)など、

別の行動を強化する手続きも使います。


FCTも、コミュニケーションを代替行動として強化するDRAの一つとして考えることができます。


ただし、分化強化(DR)という枠組みだからといって、

「問題行動を無視する」「必ず消去を組み合わせる」という意味ではありません。


重要なのは名称ではなく、


なぜその行動が起きているのか。
本人にはどのような選択肢があるのか。

環境側を調整できることはないか。
より使いやすい行動を教えられないか。

と考えることです。


問題行動を止めることだけを目標にするのではなく、本人が日常生活の中で使える行動と選択肢を

増やしていきます。




07|現代ABAで重視されていること


ABAの基本原理そのものが別のものに置き換わったわけではありません。

一方、実際のABA実践は、研究の蓄積、倫理基準、当事者からの意見、実践経験などを通して

発展してきました。


たとえば、

Dr Gregory Hanley(BCBA-D) は「Today’s ABA」という表現を用い、本人についてよく知ることから始め、

本人が安心して参加できる学習環境を整えることや、本人にとっても価値のあるスキルを教えることなどを

重視しています。


本記事では、

ABAの原理を土台としながら、本人の意思や選択、負担、生活上の意味をより重視する

現在の実践を「現代ABA」と表現しています。


これは一つの決まったプログラムを指す言葉ではありません。



|本人の生活にとって意味のある目標か

第2章で紹介した7つの次元にも、

本人の生活にとって意味のある行動を扱うという考え方が含まれています。


現在のABA実践でも、

「大人の指示に応じられるようにする」

「周囲から見て困らない行動にする」

といった理由だけで目標を決めるのではなく、その目標が本人にとってどのような意味を持つのかを考えます。


たとえば、

▶ 自分でできることや選べることが増えるか

▶ コミュニケーションの選択肢につながるか

▶ 本人の得意なことを伸ばせるか

▶ 遊びや興味の幅を広げられるか

▶ 家庭や学校、地域で実際に使えるか

▶ 本人のQOL(生活の質)につながるか


といった点です。



|社会的妥当性 ― 目標・方法・成果を見る

ABAでは、社会的妥当性(social validity)も重要な考え方です。


支援によって行動が増えた、あるいは減ったという結果だけではなく、


◆ その目標は本人や家族にとって重要だったか

◆ 使用した方法は受け入れられるものだったか

◆ 得られた成果は生活上意味のあるものだったか


まで含めて考えます。


データ上では目標を達成していても、本人の負担が大きかったり、

その行動が生活の中で役立っていなかったりするのであれば、それだけで十分とはいえません。



|「周囲と同じに見えること」を目標にしない

発達支援では、ときに感覚特性や表現の違いによって

周囲と異なって見える行動を減らすこと自体が目標になってしまうことがあります。


しかし、

他の人と違う行動だからという理由だけで、減らす/変える必要があるとは限りません。


その行動が本人や周囲にどのような影響を与えているのか、安全や生活上の困難に

つながっているのか、本人自身が困っているのか、本人が学ぶための妨げになっているか、などを

考える必要があります。


アイコンタクトも、少ないという理由だけで増やすものではありません。

相手の話を聞くことや、必要な情報に注意を向けることと、相手の目を見続けることは同じではありません。


「周囲と同じように見えること」ではなく、その人の生活に何が必要なのかを基準に目標を考えます。



|選択とエージェンシー

本人が自分で選び、意思を示せることも重要です。


活動を選ぶ、休憩を求める、別の方法を希望する、拒否する、交渉する。

こうした行動も、本人が生活の中で使う大切な行動です。


自分の生活や活動について選び、周囲に働きかけることは、エージェンシー(agency)という考え方とも

関係します。


単に「選択の機会を設ける」だけでなく、本人が示した選択や意思が、その後の活動や周囲の対応に

反映されることが重要です。



|アセント ― 本人の参加への意思を見る

本人の意思を尊重するうえで、アセント(assent)も重要になります。


子どもなど、法的な同意を単独で行うことが難しい場合でも、保護者などから得る正式な同意とは別に、

本人が支援や活動への参加についてどのような意思を示しているのかを確認します。


たとえば、

〇 自分から活動に近づく

〇 参加する、参加し続ける

〇 継続を求める(言葉や行動で示す)


といった行動は、参加への意思を考える手がかりになります。


一方、

×その場から離れようとする

×拒否する(言葉や行動で示す)

×活動を止めようとする


といった行動は、参加しない、あるいは参加を撤回したい意思を示している可能性があります。


拒否がないことだけを、参加への賛意と考えることも適切ではありません。


拒否や撤回が示された場合には、その活動をいったん止め、本人の様子、課題の難易度や量、教え方などを

見直し調整します。


休憩や別の活動などの選択肢も用意し、改めて参加する意思があるかを確認します。

これは、一度拒否があればその支援や活動を中止する、という意味ではありません。


アセントは一度確認して終わるものではなく、支援を行っている間も継続して確認するものです。



|弱化や消去に頼らない支援を考える

第4章で扱った弱化や消去は、ABAの基本原理を理解するうえで重要な概念です。


一方、原理として存在することと、

それらの手続きに頼って支援を組み立てることは別です。


問題行動に対して、

「反応しなければよい」

「無視すれば減る」

「欲しいものを与えなければ良い」

「本人にとって好ましくない結果を与えればよい」

と一律に考えるのではなく、まずは行動の機能や環境を確認します。


課題の量や難易度を調整できないか。

本人が選べることを増やせないか。

要求、拒否、休憩、ヘルプなどのコミュニケーションに加えて、待つ、交代する、

希望がすぐに叶わない場面に対応するなど、代わりに使える行動を教えられないか。


本人が必要な結果を、より安全で使いやすい方法によって得られるようにすることを優先して考えます。


現代ABAでは、問題行動を減らすことだけを目的にするのではなく、

本人にとって適切で使いやすい行動を増やし、それを強化していくことを優先する考え方が重視されています。


これは、ABA全体として弱化や消去が一律に禁止されているという意味ではありません。


基本原理と、実際にどの支援を選択するかを分け、本人の利益、負担、社会的妥当性を含めて判断することが

重要です。




08|ABA療育を選ぶときに知っておきたいこと


ここまで見てきたように、ABA療育は一つの教材や指導法を指す名称ではありません。


そのため、同じ「ABA療育」という名称を掲げていても、実際に行われている支援や専門体制は

同じとは限りません。



|支援内容と専門体制を見る

サービスを選ぶ際には、


✓ 誰がアセスメントを行っているか

✓ 誰がプログラムを設計しているか

✓ 本人や家族と目標や支援方法を話し合う機会を定期的に設けているか

✓ 記録を支援の評価や修正に使っているか

✓ 支援内容を専門家が定期的に確認しているか

✓ 本人の選択や拒否、負担をどのように扱っているか

✓ 支援者がどのような専門教育を受けているか

✓ どのような倫理基準に基づいて実践しているか


といった点を確認することが重要です。


特に、スーパービジョン(SV)がどのように行われているかは重要です。


スーパービジョンとは、

現場での実践を観察・検討し、支援者への指導やフィードバック、プログラムの見直しなどを行う専門的な

監督です。


責任者の資格名だけではなく、

その専門家が実際の支援にどのように関わっているのかも確認する必要があります。



|セラピストと行動分析士では役割が異なる

ABAサービスでは、直接セラピーを行う役割と、アセスメント、分析、プログラム設計、データ評価、

スーパービジョンなどを担う役割があります。


資格制度によって名称や業務範囲は異なりますが、代表的な例として、直接支援を担う資格


  • RBT®(Registered Behavior Technician)

  • IBT®(International Behavior Therapist)


などがあります。


一方、行動分析士レベルの資格として、


  • BCBA®(Board Certified Behavior Analyst)

  • IBA®(International Behavior Analyst)

  • QBA®(Qualified Behavior Analyst)


などがあります。


そのため、

「ABAの資格を持っているか」だけでは十分ではありません。


その資格が、どのような教育と実践経験を求め、どのような役割を担う資格なのかを見ることが重要です。


「セラピスト」という名称も、それだけで専門資格の水準を示すものではありません。

行動分析士が直接セラピーを担当することもあります。



|ABAの専門家になるには体系的な学習と実践が必要

ABAは、いくつかのテクニックや指導方法を短期間学べば習得できる専門分野ではありません。


行動の原理、測定、アセスメント、データ分析、指導手続き、問題行動への支援、

倫理などを体系的に学び、専門家の監督を受けながら実践経験を積む必要があります。


代表的な行動分析士資格では、そのためにかなりの教育と監督下実践が求められます。


2026年9月時点の主な要件を見ると、


BCBA®

大学院修了などの教育要件に加えて、

通常2,000時間、または監督要件の異なる1,500時間のフィールドワークが求められます。


IBA®

270時間の教育と1,500時間の監督下実践、その中で所定のスーパービジョンが求められます。

学位要件は取得ルートによって異なります。


QBA®

関連領域の修士号以上、270時間の教育、2,000時間の監督下フィールドワークなどが求められます。



資格によって制度や取得ルートは異なりますが、


行動分析士レベルの専門性を身につけるには、大学院レベルを含む体系的な教育や、


1,500〜2,000時間規模の監督下実践を求める資格があることが分かります。

また、資格取得後も、継続教育や倫理基準への遵守などが求められます。

もちろん、資格名だけで支援の質が決まるわけではありません。

ただ、

どのような専門教育を受けたのか。


どの程度の監督下実践を経験したのか。


誰が支援を設計・評価しているのか。


どのような倫理基準のもとで実践しているのか。

こうした点は、ABA療育を選ぶ際の重要な判断材料になります。

※資格制度や取得要件は改定されることがあります。


最新の条件は各認定機関の公式情報を確認する必要があります。




09|オーティネットのABA療育


オーティネットでは、

現代ABAの考え方を基盤に、VBに基づくアプローチとNETを中心とした支援を行っています。


自然な活動や日常場面での学習を重視しながら、必要に応じてDTTなどの構造化された

教え方(Teaching Model)も使用します。


アセスメントやコンサルテーションを通して、一人ひとりの行動レパートリーや生活上の必要性を確認し、

その子に合わせて目標や教え方を設計します。


また、国際資格を持つ行動分析の専門家が、アセスメント、プログラム設計、スーパービジョンを担当します。


本人の意思や選択を尊重し、弱化や消去に頼るのではなく、行動レパートリーの広がりと環境の調整、

新しい行動の学習を重視します。


要求、拒否、休憩、ヘルプなど、本人が必要なことを伝えるための行動も大切な支援対象です。


ABA療育で重要なのは、特定の方法を使っていることだけではありません。


何を目標にするのか。


なぜその教え方(Teaching Model)を選ぶのか。

効果的に、効率よく本人が学習しているのか。


その行動が生活の中で役立っているのか。


こうした点を継続的に確認しながら、


その子が生活の中で使える行動と選択肢を広げていくことが、ABA療育の重要な部分です。



参考文献・参考資料

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  3. Sundberg, M. L., & Michael, J. (2001). The benefits of Skinner’s analysis of verbal behavior for children with autism. Behavior Modification, 25, 698–724.

  4. Wolf, M. M. (1978). Social validity: The case for subjective measurement or how applied behavior analysis is finding its heart. Journal of Applied Behavior Analysis, 11, 203–214.

  5. Carr, E. G., & Durand, V. M. (1985). Reducing behavior problems through functional communication training. Journal of Applied Behavior Analysis, 18, 111–126.

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  7. Koegel, R. L., & Koegel, L. K. (2006). Pivotal Response Treatments for Autism: Communication, Social, & Academic Development. Paul H. Brookes.

  8. Rogers, S. J., & Dawson, G. (2010). Early Start Denver Model for Young Children with Autism. Guilford Press.

  9. Schreibman, L., et al. (2015). Naturalistic developmental behavioral interventions: Empirically validated treatments for autism spectrum disorder. Journal of Autism and Developmental Disorders, 45, 2411–2428.

  10. Lovaas, O. I. (1987). Behavioral treatment and normal educational and intellectual functioning in young autistic children. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 55, 3–9.

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  12. Hanley, G. P. (2021). A Perspective on Today’s ABA. Practical Functional Assessment.

  13. Behavior Analyst Certification Board. BCBA Handbook. 2026.

  14. International Behavior Analysis Organization. IBA Handbook. 

  15. QABA Credentialing Board. Qualified Behavior Analyst (QBA®) Requirements & Procedures. 

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  18. Carbone, V. J. (2013). The establishing operation and teaching verbal behavior. The Analysis of Verbal Behavior, 29(1), 45–49.

01|ABA療育とは
02|ABAを特徴づける7つの次元
03|ABA療育では何をするのか
04|ABA療育の基本原理 ー 行動はどのように学習されるのか
05|ABAにはさまざまなアプローチと教え方がある
06|問題行動をABAではどう考えるのか
07|現代ABAで重視されていること
08|ABA療育を選ぶときに知っておきたいこと
09|オーティネットのABA療育
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